商品の盗難・破損を防ぐ
船による運送のトラブルで一番多いのは、商品の破損です。
壊れ物を輸入する場合に破損を極力避けるためには、コンテナでの混載を避けるといいでしょう。
自分の貨物だけではなく、他業者の貨物と1本のコンテナの中に混載となると、輸出時と輸入時に2回、チェックのため貨物の中身を開けられるのです。人の手が入るわけだから、当然、破損や傷みが起こりやすくなりますよね。
船便による輸送は1ヶ月間に及ぶこともあります。あなたの商品の量にもよりますが、経験上、輸入する商品の積載量がコンテナの半分くらいになるのだったらコンテナを1本借り切って運ぶことをおススメします。なぜなら、コンテナを開けることなく通関できる場合が多いからです。これだとメーカーからあなたの手元まで一貫輸送されてくるので、盗難等に遭う可能性もほとんどなくなります。
では、実際にはどうやってコンテナを借り切るかというと、あなたはフォワーダーに、
「混載ではなく、フルコン(フルコンテナ)で手配してください」
と頼めばOKです。
料金は極端に変わることもなく、1つのコンテナに自分の商品だけが入っているので、破損や消失の可能性を減らすことができます。
商品の品質維持
これは実際にあった私の失敗談なんですが、イタリアから船便でキャンドルを輸入したところ、コンテナを開けてびっくりしたことがあります。なんと、全部溶けていて、商品として使いものにならなくなっていたのです。
なぜこんなことが起きたか?
それは、商品を輸送する船が赤道を通ったからなんです。ヨーロッパから海上輸送されるコンテナは赤道を通らなければなりません。そこで鉄板やアルミでできたコンテナが、炎天下にさらされ、コンテナの内部が熱くなり、キャンドル溶けてしまったのです。
輸入ビジネスをしていると、日常では絶対に思いもよらぬようなアクシデントに遭遇することがあります。
赤道を通るなら、輸出メーカーがコンテナに積む時に気づいてくれればいいのに、と思うかもしれませんね。しかし、ヨーロッパ人の多くは日本がどこにあるのかは正確には知らなかったりします。日本が極東にあると知っていればまだいい方で、日本がどこにあるのかすら知らない輸出者もいるほどです。輸出者が日本がどこにあるのか知らなかったら、日本への海上輸送では赤道下を通ることなど思いもしないでしょう。
もしあなたが輸入する商品が、高温に弱い商品である場合は「リーファーコンテナ(冷蔵庫付きのコンテナ)」を使うように指示してくださいね。もちろん、フォワーダーに商品の内容と高温のリスクを伝えておけば、このようなトラブルを避けることができます。
パッケージも商品の一部
私たち日本人はきれいなパッケージ、ギフト箱包装など、外装も含めて一つの商品として考えますが、海外では外装には意外に無頓着なことが多いのです。海外ではパッケージは「捨てるもの」という感覚があり、外国のメーカーもそれほど重視していません。
しかし、いくら商品が良くてもギフトボックスがダンボールで、中にエアパッキンやら新聞紙やらで詰め込まれているようなものは、日本では商品になりませんね。
一つ一つ、美しい包装紙なり、パッケージに包まれていないと、最悪、「パッケージがぼろぼろだった」と返品されることもありえます。これは唯一、日本市場だけで起こりうる問題です。
ですから、輸出する際に、美しいパッケージに商品を一つ一つ詰め込んで送ることを指示しておく必要があります。また、淡いパステルカラーのパッケージは汚れてしまうと使いものにならないので、むき出しでコンテナに載せないように契約書等で指示しておく必要もあります。
しかし、中には「アメリカに輸出する時もそんなことはしていない」とか、「私たちはいつもこの梱包でしか送っていない」と突っぱねてくるメーカーもあります。これはヨーロッパに限らず、中国、東南アジアのメーカーも例外ではありません。
そこで商品にふさわしいパッケージにしたいあなたに、絶好の殺し文句をお教えしよう。
「これは私が言っているのではない。あなたの気持ちもわかるけれど、日本のマーケットが言っていると思ってほしい。あなたは日本のマーケットと付き合いたいですか? これからも日本と付き合いたければ、その勉強をしていると思ってほしい」
ここまで言って、対応をしないようなメーカーとは今後は付き合わない方がいいでしょう。
逆に、今のフレーズで納得するメーカーはやる気があり、長い付き合いも可能でしょう。
日本では、パッケージも商品価値を高める大事な要素であることを説明し、できれば、日本のパッケージの現物をサンプルで送り、納得のいくものを作ってもらうとより良いでしょう。
商品の梱包は、商品価値を損ねずに届くかどうかの大事なポイントですからね。
パッケージに限らず、相手から「細かい」「くどい」と思われようと大事なポイントは指示するようにしましょう。
船便か?航空便か?
商品の輸送の手段としては、船便だけではなく航空便もあります。
航空便の長所は、とにかく早く着くことです。
ヨーロッパからの船便なら1ヶ月かかってしまうところが、1日で到着します。
その分、運賃が高く、数倍から下手をすると10倍かかってしまうこともあります。
輸入ビジネスの輸送には、基本的に船便を使うケースが多いのは、大量の商品を一度に輸送できることに加え、運賃が圧倒的に安いという理由からです。
しかし、航空便に適した商品もあります。
アロマオイルやワイン等、長期の輸送機関で品質が変わってしまう商品、そして高価な貴金属や、ブランド物のバッグ等、高価で質量の小さな商品なら航空便で運ぶ方が安全です。
またダンボール3つくらいの少量の輸入なら、船便で1ヶ月かけて運んでもあまり意味がないので、航空便を利用した方がいいでしょう。
さらに少量の輸送なら、国際郵便小包(EMS)を利用することもできます。郵便物扱いになるので、商品はドアツードアで到着し、価格も非常にリーズナブルです。さらに荷物追跡サービスも充実しています。大きさ、重さの制限があるので、その点は注意しなくてはならりません。
手始めに少数の輸入から始めたいというのであれば、航空便、EMS等を使って小規模スピード重視の輸入ビジネスを体験してみるのもいいかもしれませんね。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
今日もあなたにとって星の数ほどの幸せがありますように・・!
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