輸入ビジネスにおける通関・関税に関するトラブルと対処法について、以前お話ししましたね。
今回はメーカーとの契約に関する内容に絞り込んでお教えしましょう。
輸出者から連絡が来ないんですけれど…
よく展示会などに行って相手と商談をする、そしてメールでのやり取りをする
という流れがありますがあなたは、はやる心でメールを送ったとします。
ですが、相手から一向に返事が来ない。ということがあります。
実はこれ、すごく多いんです。
考えられる一つの原因に日本人と相手の文化の差があります。
日本人はビジネスファースト、仕事第一ですから
24時間、48時間以内に返事をくれるというのが当たり前になっています。
でも、そうでない国も多いんです。
例えばインドですと一週間以内が迅速な対応という感覚があります。
こういった文化の違いが1つの要因となっています。
また、夏の展示会ではこういったこともあります。
8月末から9月は展示会のシーズンなんです。
ですから、メーカーは7月8月に夏休みとらずに
展示会の準備をし、8月末からの展示会に臨む。
そして展示会が終わったらそのままヴァカンスに
入ってしまうんです。
日本では考えられませんよね。
でも、ヨーロッパですとあり得ることなんです。
ですから、特に夏の展示会に参加した時には気を付けてください。
連絡をしてから、1~2週間は連絡が来ないかもしれません。
でも、それはそういった理由があるからなんです。
決してあなたが嫌われているわけではありません。
どうしても急ぐのであれば一緒にFAXを流すという手もあります。
届いた見積額が展示会の時の話と違う
海外の展示会に行って商談をしたが、その時に聞いた価格より高い見積書が届きました。
あわてて連絡すると「そんな価格の話はしていない」と突っぱねられました。
これは輸入ビジネス参入時によくある話なんです。
こうした問題が起こる背景として、いくつかのことが考えられます。
一つ目に、相手がこちらを品定めして、適当な値段を言っている場合があります。
輸出用のプライスリストを用意しておらず、気分で適当な値段をいうことがあるのです。
信じられないかもしれませんが、実際にそんな経験が何度もあります。
二つ目として、展示会で話した相手と、実際に見積りをする人間が異なる場合もあります。
言い間違いもあれば、こちらの聞き間違いということもあり得ます。
このような事態を避けるため、私の場合、展示会には必ずノートを持参しました。
自分の話したこと、相手の話した内容を書き、担当者のサインをもらうのです。
当然、価格の話が出たときはノートに価格を記入したうえで相手に確認してもらい、
忘れずに相手のサインをもらいます。
輸出者が高い見積もりを送ってきた場合、担当者のサインがある部分を写真などに撮り、相手にメールを送ります。
「ここに〇〇さんのサインがあります。今回は商談をした時の見積もりでやってください。」
こう主張すれば、相手はその価格でやらざるを得なくなるでしょう。
全額前払いに応じたら商品が届かない
初めての相手でしたが、全額前払いの条件でした。
相手の会社の信用性を確認せずに取引に応じたら、商品がとどきませんでした・・・。
まず、重要なポイントは、初めての取引相手とは全額前払いの条件に応じないことです。
絶対にやってはいけません。
全額前払いというのは、相当強硬な条件で、いったん様子を見た方がいいです。
だいたい30%前金で、70%は船積み後に決済する条件が常識になっています。
何があっても取引相手に全額を前払いするようなことをしてはなりません。
では、実際に商品が届かなかったり、石ころなど届いたらどうすればいいのか?
裁判にするという方法もないわけではありません。
裁判の場合、準拠法と契約書が争点になります。
準拠法とは、どこの法律に基づいて裁かれるかということです。
契約については、以前に少しオア話ししましたが、契約書は輸出者が作るものと、輸入者が作るものがあります。
それぞれ自分にとって有利なように作成されているのです。
日本の輸入者が作る契約書には「裁判は東京で行う」と記載しますが、
輸出者が作る契約書には「裁判は自国で行う」 となるのが普通です。
どちらで裁判を行う際でも、たとえ勝訴しても、確実に取れるかどうかは保証の限りではありません。
事実上、経費倒れする場合も多く、金額に応じて訴求するかどうかの判断をすべきです。
いかがでしたでしょうか。
参考にしてくださいね。
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