輸入ビジネスにおけるトラブル対処法シリーズ。

今回は「商品」に関するトラブル対処法についてお話しします。

 

メーカーからサンプルが送られてこない

展示会では、輸出者は非常に多くの人間と応対します。
そのために相手を混同したり、話をした相手を忘れたりすることがあります。

たとえば、展示会終了後にサンプルを送ってもらう約束をしていたとしますね。

相手からは、力強く「分かりました、そうします」という約束を取り付けています。

あなたとしては、熱心な態度を示していたので、相手はきちんとサンプルを送ってくるものと思いますよね。

しかし、いつまで待ってもサンプルが送られてこない。

メールを送っても、毎回「お問合せをいただき、ありがとうございます。」
というような、同じ返事しかかえってこない。

これは意外によくある事なんです。

なかなかサンプルを送ってこない場合、3つの可能性が考えられます。

 

1.相手が受注、もしくは商談記録を紛失してしまっている

この場合、相手は受けたオーダーを確認できないため、返事が出来なくなっているのです。

ですから、「何か要求しているようだから、とにかく定型のひな形を返信しておけ」となるのです。

2.文化の違い。相手国は日本より時間の流れが遅い

私たちにとっての「早急」と、相手の「早急」とのとらえ方の違いです。

たとえば、インド人にとって「早急」とは1週間以内といった話もあります。

3.ブースにいた人間が輸出担当者ではなかった場合

ブースにいた人間とは違う人間が輸出担当者でった場合、
相手の引継ぎが悪いとサンプルの件がうまく伝わらないことがあります。
伝え忘れということもあります。

また、海外の展示会では、学生アルバイトの通訳がブースで
説明するようなケースもあります。

商談しようと名刺を出すと、通訳も名刺を出してきます。

その名刺には「セールスマネージャー」とか「エクスポートマネージャー」と
印刷されていますが、それは自分の名刺ではありません。

通訳は、会社のそうしたポジションにいる人間の名刺を出してくるのです。

では、相手がどういう立場の人間で、商談すべき相手かどうかを
知るにはどうすればいいのか?

それは、名刺をもらった時に、必ずこう確認すればいいのです。

「これはあなたの名刺ですか?」

もし返事が「違います」であればその相手との商談は打ち切り、
責任のある相手を探し、商談に入ればいいのです。

 

サンプルとまったく違う商品が届いた

輸入ビジネスで一番多い問題は、品質に関するものです。

届いた商品がサンプルよりも品質が劣っていたというケースがあります。

現物の品質がサンプルより劣るとなると、納品時に影響が出るのは当然ですね。

大幅値引きを要求される可能性もあり、最悪の場合はキャンセルなんてこともあり得ます。

そしたケース以外に、届いた商品がサンプルとは全く似ても似つかない
ものだったということも起こりえます。

こんなことが起こるとは、私たち日本人にとって信じられないことですね。

こういった事態に備えて、サンプルを入手した際、サンプルの品質を確認したら、
契約書に「契約段階で入手したサンプル通りの品質、形状のものを送ること
という一項を入れておきます。

この一項があれば、サンプルより品質の劣る商品が届いたときに、輸入者は強い態度をとることができます。

もし前もって入手していたサンプルが手元にあるのであれば、
サンプルと届いた商品を並べて写真に収めてください。

その写真をメールに添付して相手に送って納得させ、
交換もしくは返金、もしくは値引を要求しましょう。

 

輸入ビジネスにおいて、商品の品質に関するトラブルはとても多いです。

私たち日本人は、世界一高いとされる品質基準の国に住んでいます。

ですから、この品質の良さを当たり前のように思ってしまいますが、
良い商品(品質の良さ)の定義は各国様々です。

知っておきたいのは、それぞれ国や地域によって認識に違いがあるということです。

私たちから見ると明らかに欠陥品である物を「問題なし」、
と輸出者が判断していることが往々にしてあります。

これを避ける方法として、輸入前には必ずサンプルを入手しましょう。

 

いかがでしたでしょうか。

参考にしてくださいね。

 

※お客様の携帯電話が迷惑メール対策設定や、ドメイン指定受信設定をされておりますと、お申込完了のメールを受け取れない場合がございますのでご注意ください。【info@importpreneurs.com】からのメールを受け取れる様にお願いいたします。