輸入ビジネスをするということは、
世界各国の人々と直接付き合うということになりますね。
人には個性がありますから一概に語ることはできませんが、
たとえば「日本人は真面目」というように、ある程度のイメージってありますよね。
今回は、私がこれまで実際に関わってきた人々を思い返しながら、
お国柄についてお話したいと思います。
アメリカ
日本とある意味もっとも近い存在の国がアメリカです。
現在の日本はほぼアメリカを見習ってきたといっても過言ではありません。
彼らはご存知の通り、自分たちが「世界の中心」であると考えているところがあります。
何と言っても、アメリカの野球の頂点を決める大会を
「ワールドシリーズ」と呼ぶくらいですからね。
アメリカはUnited States、つまり州の統合体です。
州はそれぞれが州法にのっとったひとつの国のようなもので、
その集まりがUSAで、それ自体が「世界」のようなものです。
ですから、その「世界」だけで完結したがり、
海外にあまり目を向けない傾向があるのです。
ビジネスについてはとにかく強引で、ゴリ押しして
こちらをねじ伏せてくるようなところがあります。
また「自由な国」と謳いながら互いに干渉したがらないモンロー主義が
今も根底に残ってるところがあり、かなり保守的な国民性でもあります。
契約社会ですから、事細かく契約書に書き込み、それがすべてとなります。
油断すると自分たちに有利な条項を書いてくることもありますから注意が必要です。
イギリス
イギリスは日本と同じ島国です。
そのせいかはわかりませんが、感覚的に日本人に近く、シャイで大人しい印象があります。
紳士の国である半面、プライドもとても高く、世界を牛耳っていた時代があるから、
どこか自分たちが上の存在だと考えているところがあります。
少なくともアメリカはイギリスの植民地でしたから、見下しているところがあるという印象です。
ビジネスについては、納期もきちんと守り、標準的なレベルです。
欧米全般に言えることですが、国力の成長が緩やかな段階に入っているため、慎重で浪費も少ないです。
人口は少なくマーケットが狭いため、輸出相手とした場合はあまり向いていないかもしれません。
もうひとつ、イギリスを語るのに大切なのは、紹介から人間関係が始まるということです。
イギリス人の特徴を表す面白いジョークがあります。
ある無人島にイギリス人2人が流れ着いたんです。
その二人は、それぞれはまったく別々に暮らし、やがて救出されることになりました。
そして、事情を聞いてみると、二人は共同で何かをすることは一切なかったというんです。
その理由を尋ねると、二人は口を揃えて言いました。
「だって紹介されていないから」
閉鎖的な国民性があり、紹介の連鎖で交友関係が広がっていくのがイギリス人なのです。
フランス
さて、もうひとつ難しい欧州の国があります。それがフランスです。
フランスは古い伝統と文化が根づいていて、その点においては
日本と似ているため、日本に対する理解は深いといえるでしょう。
とはいえ、付き合いやすいのかと尋ねれば、首を縦は振りにくいところはあります。
やはりフランス人もプライドが高く、フランス文化が最高であるという意識があるからです。
イギリスやドイツに占領された時代を経ているため、逆に頑なになり、
話せるにもかかわらず英語などのヨーロッパ語を嫌う傾向があります。
その一方で、文明国の中では人種差別がもっとも少ない国のひとつでもあります。
黒人も多いし、移民も受け入れる。
ただ、ある程度フランス語が話せるかどうかが基準になるようです。
またラテン系でもあり、時間の感覚は多少ルーズなところもあります。
近年、日本のポップカルチャーにとても注目しており、
たとえばファッション、アニメ、そこから派生したコスプレなども
若い子たちの間で一大ブームとなっています。
ビジネスについては、プライドが高いためやりづらいところがあります。
特徴的なのは、「先着順」という考え方がないことです。
こちらが先に交渉し、優先されると思っていても、後から参入したところが
自分たちにメリットが大きければ、そちらが優先されてしますのです。
先約とか優先順位という感覚がなく、当然ながら義理人情も通用しないところが、
フランス人の難しいところです。
ドイツ・オランダ
日本人にとって付き合いやすい国が、ドイツ、オランダです。
質実剛健で、確固とした規制などがあり、しっかりしているという印象の強い国です。
時間も守るし約束も破らない。
こちらから要望を言えば、それをきちんと踏まえて対応してくれるため、
交渉がしやすく、日本的な商売が通用する国なのです。
腕の確かな職人から引き継がれてきた歴史があるため、
特に工業製品において技術力が高く、信頼できる商品が多々あります。
ドイツ人は冷徹な印象があるかもしれませんが、
国民の教育レベルや文化成熟度は高く、怒っているようにしか聞こえない
言葉の強さに反して、気性はわりと穏やかな人柄なんです。
治安もよく、危険な目に遭うことも少ない国です。
イタリア
何といってもとにかく陽気で楽観的なのが、イタリア人のスゴイところです。
ラテン系特有の性格が真正面に発揮されているといってもいいでしょう。
ただビジネスの相手となると、アバウトな性格で、テンションは高く、
悪気のないホラもよく吹く人たちであり、ちょっと面倒臭いところもあります。
しかし、美的センスは最高です。
日本人の十倍くらいの色を見分けられるそうです。
日本人が500色見分けるとすればイタリア人は5000色です。
そのくらい美的センスが優れています。
個人的に仲良くなるには最高の人々です。
ただ、仕事の時は、特に納期に関しては注意する必要があります。
スペイン
イタリア人同様、ラテン系のノリに満ちあふれ、陽気でアバウトな国民性を持つのがスペイン人です。
歴史的背景のせいか、イタリア人ほどの突き抜けた明るい雰囲気は薄い印象があります。
ちなみに人種的にアジア系が入っているので、
イタリア人よりは若干東洋系に近い風貌の国民もわりと多くいます。
日本人のように期日を守る習慣も足りないので、付き合っていると
常にどこか不安な感じがつきまとっている。
もしあなたがスペイン人と取引するのであれば、
そのあたりをちょっと加味すれば、取引しやすい相手です。
ブラジル
南米もラテン系の国です。
ラテン系の中でも突出する適当な国民性を持ちます。
イタリア人も顔負けです(笑)
サッカー好きな方ならおわかりかもしれませんが、
ファウルを受けた、倒された、どこかを痛めたという嘘か本当かわからない
アピールの山を築くのが得意で、どこか「あわよくば」の意識が見え隠れします。
また、時間も約束もかなりルーズなところがあり、
ビジネスの面では金銭関係のやり取りに注意が必要です。
ブラジルは日本に親近感を持っている国です。
日系人の数はかなり多く、昔から紅白歌合戦が中継されているほど
日本文化が深く浸透してます。
ブラジルは日系人だけでなく、黒人も白人も混沌として入り乱れているので、
人種差別などはほとんどなく、我々日本人もスッと入っていきやすいというのが特徴です。
ルーズな面だけを気を付けてお付き合いをすれば非常にやりやすい相手です。
いかがでしたでしょうか?
最後まで読んでくださってありがとうございます。
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