輸入ビジネスであるトラブルとその対処法、
今回は輸送に関する内容に絞り込んでお話ししましょう。

 

アメリカの会社とFOB契約をしたが、商品が届かない・・・

アメリカの会社とFOBで契約しました。
輸出者から出荷したとの連絡があったのに、いつまでたっても到着の案内がきません。
心配になり調べてみると、商品はシカゴの貨物用倉庫に放置されたままになっていました。

どうしてこのようなことが起こったのでしょうか?

 

以前お話ししたように、FOBとは輸出者が本船に商品を載せてくれる契約でしたね。

契約で指定された港で輸入者が手配した本船に、輸出者が商品を積み込んで引き渡すというもので、
船に積み込むまでのリスクと運賃などの費用は、輸出者の負担になるというものです。

しかし、アメリカの場合多少ニュアンスが異なっているのです。

実は、アメリカでFOBといった場合、国内法で6種類のFOBの形式が存在するのです。

しかも、その中にはEX WORKSを始め、商品を本船に積み込まない契約も含まれ、

さらに、アメリカ国内の輸送費や船積み費用が輸入者負担になる場合もあります。

 

ですから、このようなFOB契約であった場合、あなたが本船を手配していたとしても、
いつまでも船積みされず倉庫に放置されてる、という事態が起きてしまうのです。

アメリカのFOBの定義を知らないと、こうしたトラブルが起こり得ますので、
契約の際は、内容をしっかりと確認する必要があります。

 

運賃が重量ではなく、容積換算で高くなってしまった・・・

輸入ビジネスに慣れないうちは、輸送費の決まり方は非常に理解しにくい部分ではないでしょうか。

通常、海上運賃の建値(運賃計算の基準となる単位)は次のようになっています。

(1)容積建て運賃

通常、1立方メートルを1トンとする「容積トン」で決められている

(2)重量建て運賃

重い貨物に適用される。
原則的に1トンは1メトリックトン、つまり1000キログラムを「1重量トン」と決められている

(3)従価建て運賃

商品が高価な場合、インボイス上のFOB価格に一定率をかけて算出される運賃

(4)ボックス・レート

コンテナ単位で表示される運賃
コンテナ1本でいくらという運賃設定

以上が海上運賃の基本的な計算方法です。

 

航空輸送の場合、基本的には、容積と重量のどちらか大きい方で決められます。

容積6000立方センチメートルを1キログラムに換算します。
※7000立方センチメートルを1キログラムとする国も一部あります。

航空運賃は、一定の範囲の重さに応じて運賃が設定され、重くなるほどキログラム当たりの運賃が安くなります。

普通の場合、国際貨物運送会社に商品の種類を話して、運賃の見積もりをとります。

今回の場合、見積もりをとらずに輸入してしまったことに原因があります。

通常、運賃は、貨物が積まれる国の通貨建てで決められるので、
為替レートによる変動があり、輸送しないと分からない部分はありますが、
見積りをとれば大体の運賃は把握することができます。

ですから、基本的に輸送は、運賃の見積書をとって、見積りを精査し、納得したうえで依頼した方がいいでしょう。

 

輸送途中で商品が消えてしまった・・・

「輸送途中で、商品が消えることなんて本当にあるんですか?」
こう思われる方もいるのではないでしょうか。

ですが、輸入ビジネスでは実際に起こり得ることなんです。

私も一度だけ、商品が行方不明になった経験があります。

 

こういったことが起こった場合、現地まで出かけて商品を探すことなどは事実上不可能です。

いったいどこで、どの段階で商品が消えたのかがわからないので、探しようがないのです。

できることは、外航貨物海上保険でカバーすることだけです。

 

海上保険に入っていれば、紛失・破損をはじめとするいろいろなトラブルの損害をカバーすることができます。

輸送時のリスクヘッジのため、海上保険は必ずかけるようにしましょう。

保険料はそうは高くありません。

 

いかがでしたでしょうか?

最後まで読んでくださってありがとうございます。

 

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