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商品を海外から輸送する際の国際ルール

海外で発掘した商品の独占販売権を獲得し、サンプルを仕入れて日本国内にお客様を見つけたら、商品をメーカーに発注し、輸送して仕入れなくてはならなりませんね。

ここで知っておかなければならないのは、商品を海外から輸送する際には、貿易条件(トレードタームズ)という商取引の国際ルールがあることです。

 

海外取引には、国内取引にはないルールがあります。国が違えばルールや取り決めが異なるのは当然ですね。しかし、お互いがそれぞれ自国のルールを主張すれば、スムーズな取引はできないし、貿易業もやりにくくなります。

そこでできたのが、「インコタームズ」と呼ばれる国際ルールです。

 

インコタームズで決められていることは、貿易の「取引条件」です。

具体的には貨物(商品)のリスクの負担の範囲と費用負担の範囲を決めたものです。

簡単に言うと、あなたが海外から商品を輸入するのに、海外の工場で作られた商品の送料をどの地点から持ち、保険料を含めたリスクをどの地点から背負うか、という取り決めなのです。

 

この貿易条件で定められている代表的な項目は、次の4つです。

1.価格条件(建値条件)
2.引渡しの場所
3.危険(リスク)の移転時期
4.輸入業者と輸出業者の費用分担の分岐点

これらの貿易条件をインコタームズでは2種類11規則に分類し、輸入する側と輸出する側がどういった条件でコストを負担するかがわかりやすくなっています。

 

インコタームズの2つのクラスと11規則

(1)すべての輸送手段に適した規則

条件  意味
EXW
(ExWorks)
工場渡し
FCA
(Free Carrier)
運送人渡し
CPT
(Carriage Paid To)
輸送費込み
CIP
(Carriage and Insurance Paid To)
輸送費保険料込み
DAT
(Delivered at Terminal) 
ターミナル持込渡し
DAP
(Delivered at Place) 
仕向地持込渡し
DDP
(Delivered Duty Paid)
関税込み持込渡し

 

(2)船舶輸送にのみ適した規則

条件  意味
FAS
(Free Alongside Ship)
船側渡し
FOB
(Free On Board)
本船渡し
CFR
(Cost and Freight)
運賃込み
CIF
(Cost,Insurance an Freight)
運賃保険料込

 

現実的に必要な次の4種類の貿易条件

上記、11種類の条件を覚える必要はありません。現実的に必要な次の4種類の貿易条件を費用負担(価格条件)の側面に絞って説明しよう思います。

 

①エ場渡し価格(Ex WORKS価格、EXW価格)

これは、海外のメーカーの工場であなたが商品を引き取る場合の価格条件です。あなたが指定した国際貨物運送業者が工場に引き取りに行き、引き取った段階でリスクと費用はあなた持ちになります。

例えば、指定の国際貨物運送業者が、船上等で事故を起こしてあなたの商品に損害が出た場合は、この条件だとあなたの損失となります。ただし、3000円~の保険で全てのリスクを回避できるのでそれほど心配する必要はないでしょう。

この工場渡し価格は、ヨーロッパとの取引で提示されることが多い条件です。

 

②本船渡し価格(FOB価格)

①の工場渡し価格に、メーカーが工場から輸出港(空港)まで運ぶ運賃・通関・船積み費用を含んだ価格条件です。リスクと費用の分岐点は、船積み時点になります。

例えば、船積み後、不幸にもその船が沈んだとしたら、それはあなたのリスクになります。
もちろん、これは安価(3000円~)な海上保険で対応できます。

アジアとの取引で多い条件です。日本の保険会社で保険をかけられるので、私はこのFOB価格を主にセレクトしています。

 

③運賃込み価格 (CFR価格)

②の本船渡し価格(FOB価格)に、現地港(空港)からあなたの指定する港(空港)までの運賃を加えた価格で、「C&F」とも言いいます。ただし、FOBと同じく、船積みした時点で商品のリスクはあなたが負うことになります。

日本では、CFRは輸入の時によく利用されます。これはFOBと同じく、万が一の時交渉のしやすい日本の保険会社に保険を頼みたいと思っている人が多いからです。

 

④運賃・保険料込み価格(CIF価格)

③の運賃込み価格(CFR価格) に、海上保険 (航空保険)の保険料を加えた価格です。
リスクと保険料、運賃以外の細かな費用の分岐点は、①~③同様、船積み時点になります。

米国との取引で比較的多い条件です。日本では、輸出の際に使われることが多いです。

お勧めは、②のFOBか、③のCFR。CIFは、個人的には、あまり推奨しません。海外の保険会社と交渉するのは、やっかいな作業になるからです。

 

そういった観点から見ると、CIFを提示された場合は、このように言いましょう。

「日本の保険に入りたいからFOBでお願いします」

とこちらの条件をメーカーに提示すればいいだけです。

メーカー側にとっては、どちらでもあまり問題にすることはありませんからね……。

 

「貿易条件なんてやっぱり難しそうだ」と感じたかもしれませんね。

ですが、安心してください。

フォワーダー」という専門の業者に輸送から保険に至るまで一括して任せることができるのです。

これについては、別の機会にお話したいと思います。

 

最後まで読んでくださってありがとうございます。

今日もあなたにとって星の数ほどの幸せがありますように・・!