海外から商品を輸入すれば、通常、関税がかかりますね。

関税とは「国境または経済的境界を通りすぎる貨物に課せられる税」のことで、
一般的には外国からの輸入品にかかる輸入税を意味しています。

この関税が高くなればそれだけコストに跳ね返り、あなたの利益が減ります。
ですから、関税が安くなったら嬉しいですよね。

 

では、関税を安くする方法はあるのでしょうか?

実はその方法があります。それは「特恵関税制度(GSP)」を利用することです。

 

WTOWorld Trade Organization国際貿易機関)という名前を聞いたことがあるでしょうか?

これは貿易に関する国際機関で、WTOでは「開発途上国(発展途上国)の経済発展を促進するために、それらの国からの輸入品には関税率を低くするか、もしくは無税とする」という合意があります。

国によって呼び名は異なりますが、日本では「特恵関税」と呼ばれています。

この特恵関税によって、たとえば中国やベトナム、東南アジア諸国からの輸入品は、ほとんど無税か非常に安い関税で輸入することができます。

 

【特恵関税が適用される国】

アジア

中華人民共和国(香港地域及びマカオ地域を除く)、インドネシア、
インド、ベトナム、フィリピン、スリランカ、パキスタン、モンゴル、
バングラデシュ、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン など

ヨーロッパ

モルドバ、ベラルーシ、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、
ウクライナ、セルビア、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ など

南北アメリカ

ブラジル、アルゼンチン、ジャマイカ、パナマ、ホンジュラス、
コロンビア、メキシコ、チリ、エルサルバドル、ウルグアイ、
スリナム、コスタリカ、ベリーズ など

アフリカ

ガーナ、エジプト、シエラレオネ、カメルーン、チュニジア、
ナイジェリア、ナミビア、モロッコ、ボツワナ など

中近東

イラン、レバノン、イラク、ヨルダン、シリア、トルコ など

オセアニア

フィジー、サモア、トンガ、キリバス、パラオ など

 

特恵関税制度での注意点(1)原産地証明書の準備

特恵関税で関税を無料、もしく減税するためには、いうまでもなく特恵関税が使える国や地域からの輸入でなければなりません。

申請に必要な書類もあり、手続きは通関業者に委託するとしても、必要な書類はあなたが揃えなければなりません。

特恵関税を受けるためにはまず、「特恵関税用の原産地証明書Certificate of Original)」が必要です。この証明書には厳格な要件が必要とされています。

(1) FormAであること

(2) 発行者は商工会議所、輸出国税関、またはしかるべき機関であること

(3) 輸出前に発行されたものであること

(4) インボイス(納品・請求書)の輸入品目が証明書と一致すること

(5) 日本の税関の登録スタンプ、およびサインがあること

(6) 修正された場合は、発給機関の修正印が押してあること

注意すべき点は、原産地証明書は特恵関税用の原産地証明でなければならないことと、原本でなければならないことです。つまりコピーは認められないということです。

ですから、必ず輸出前に「特恵関税用の原産地証明書」の原本を要求しておきましょう

 

特恵関税制度での注意点(2)適用時期

特恵関税に必要な書類は準備しました。

これで特恵関税が適用されると思っていると、「枠」の問題で適用されないこともあります。

この「枠」を「シーリング」と呼び、1年間でその国からの輸入量、もしくは金額の枠が決められているのです。
枠を超えた場合は特恵関税の適用が受けられなくなり、関税支払いが発生するのです。

このことを知らなかったばかりに、特恵関税制度の適用が受けられないケースも出てきます。

ですが安心してください。確実に適用を受けるための秘策があります。
特恵関税の開始年度の特性を利用するのです。

特恵関税の年度は4月1日から翌年の3月末です。

新年度が始まった4~6月の輸入であれば、特恵関税の適用で心配な輸入量や金額の制限はまずありません

 

いかがでしたでしょうか?

参考にしてくださいね。