以前、輸入ビジネスをする上で知っておかなければならない、
商取引の国際ルール「貿易条件トレードタームズ)」のお話ししましたね。

復習のため再度ご説明しますと、
海外との取引は、基本的に異国間・異文化間の取引のため、
輸出者と輸入者の国によって、法律、制度、商習慣、商道徳などが違います。

この違いがさまざまなトラブルに発展する可能性があるので、
国際商工会議所 (International Chamber of Commerce: ICC) が、
共通の了解事項や合意事項を国際ルールとして取り決めたのが、
インコタームズIncoterms)」でしたね。

今回は、以前お話しした現実的に必要な4種類の貿易条件について、図解でご説明したいと思います。

 

1.工場渡し(EX WORKS価格/EXW)

EX WORKSは、海外メーカーの工場で商品を引き取る場合の価格条件です。
ヨーロッパとの取引で提示されることが条件です。

実務的には、あなたが指定した国際貨物運送業者が工場に引き取りに行く形となります。
工場で引き取った段階で、それ以降のリスクと運賃、保険料はあなた持ちとなります。

工場渡し価格(EX WORKS価格/EXW価格)

工場で渡したら、そこから先のリスクと費用はすべて、輸入者であるあなた持ちになります。

ですから、あなたは日本までの輸送保険を手配しなければなりません。

もしあなたが物流に自信があれは、輸送手段を相手に任せる他の条件より
安いコストで運ぶことができるというメリットもあります。

2.本船渡し(FOB)

EXW価格に、メーカーが工場から輸出港(空港)まで運ぶ運賃・通関・船積み費用を含んだ価格条件です。
アジアとの取引で提示されることが多い条件です。

FOBの場合は、船積み以降のリスクと運賃、保険料があなた負担になります。

本船渡し(FOB)

FOB」とは「Free on Board」の略語です。

契約で指定された港で、買主の手配した本船(実務的には売主に依頼する場合も多い)に、
輸出者が商品を積み込んで渡すという条件です。

日本では、C&FやCIFと並んで好まれている条件です。

 

3.運賃込み価格(C&F価格、またはCFR価格)

FOB価格に、現地港(空港)からあなたの指定する港(空港)までの運賃を加えた価格です。

C&Fは、CFRとも言います。
運賃は輸出者の負担なんですが、船積み以降のリスクと保険料は
船積み時点からあなた持ちとなるので注意しましょう。

運賃込み価格(C&F価格、またはCFR価格)

日本では、C&Fは輸入の時によく利用されています。
これは、日本の保険会社に保険を頼みたいという人が多いからなんです。

 

4.運賃・保険料込み価格(CIF価格)

C&F価格に、外交海上貨物保険(航空保険)の保険料を加えた価格です。

CIFは、アメリカとの取引で多い条件で、運賃と保険料は輸出者の負担となります。

運賃・保険料込み価格(CIF価格)

CIFは、日本での通関と国内輸送費を算入すれば総コストが出るので、
コストが読みやすく、初心者にもわかりやすい条件です。
日本では、輸出の時によく使われている条件です。

 

いかがでしたでしょうか?

どの貿易条件で契約するかは、仕入れ原価を算出する際に
とても重要になりますので、内容をしっかり覚えておきましょう。

 

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